サポート詐欺の偽警告|ギフトカードを買わされないための対処
見覚えのない請求や勧誘が届いたときは、詐欺・注意喚起の記録で、 同じ手口がいま出回っていないか確かめられます。
パソコンやスマホを使っていたら、突然「ウイルスに感染しました」という警告が画面いっぱいに出て、けたたましい警告音が鳴り出します。画面には「今すぐこの番号に電話してください」と書かれています。 あの画面、出るとドキッとしますよね。
その警告は、ほぼ100%が偽物(サポート詐欺)です。あなたのパソコンは、たぶん何ともなっていません。 この詐欺が最後に狙っているのは、あなたにコンビニでギフトカードを買わせ、その番号を送らせることです。
いま画面が出ている人へ:この3つだけ
説明は後回しでかまいません。今この瞬間に警告画面が出ている方は、ここだけ読んでください。
そもそも「サポート詐欺」って、どういう手口?
この手口は、数字で見ても増えています。警察庁の暫定値によると、2026年上半期に「パソコンのウイルス除去をサポートする」などの名目で電子マネー等をだまし取るサポート名目の被害は735件(前年同期比 +10.4%)、被害額は8.3億円でした。架空料金請求詐欺の認知件数の23.6%を占めています。
半年で700件を超える被害が、実際に起きています。
| 年 | サポート名目の認知件数 |
|---|---|
| 2023年 | 2,169件 |
| 2024年 | 1,524件 |
| 2025年 | 1,047件 |
| 2026年(1〜6月) | 735件(前年同期比 +10.4%) |
3年つづけて減っていたのに、今年は増加に転じました。半年で、昨年1年分の7割に達しています。
しかも、年の途中でも増え続けています。月ごとの認知件数は、1月が69件、2月が111件、3月が139件、4月が138件、5月が133件、6月が145件でした。半年で2倍を超えました。
サポート詐欺は、いきなりお金を要求してきません。じわじわ追い込んでくる、段取りのある詐欺です。
怖い演出はすべて、「電話させるため」の入り口です。 逆に言えば、①の時点で画面を閉じてしまえば、その先の被害には進みません。
なぜ、あんなに本物っぽく見えるのか
あの画面の前では、誰でも手が止まります。ひとつひとつの演出に、人の手を止めるための役割があるからです。
| 画面に出てくるもの | 何のためか | 実際のところ |
|---|---|---|
| けたたましい警告音・音声 | 考える時間を奪い、「早くどうにかしなきゃ」と思わせる | Webページは音を鳴らせます。音量を下げれば止まります |
| 大手企業のロゴや、それらしい社名 | 「有名な会社が言っているなら本当だ」と思わせる | ロゴや社名は画像として貼るだけで作れます。表示されていること自体は、何の証明にもなりません |
| 「ウイルス〇〇個検出」などの数字 | 具体的な数字で、事実らしく見せる | 実際に端末を検査した結果ではなく、あらかじめ書かれた文字であることがほとんどです |
| カウントダウン・「あと〇分」 | 期限を切って、確かめる余裕をなくす | 時間が過ぎても、何かが壊れることはありません |
| 全画面表示・閉じにくいつくり | 「自力では消せない=重症だ」と思わせる | 全画面はブラウザの機能です。ESCキーの長押しなどで解除できます |
| 大きく書かれた「サポート窓口」の番号 | 電話をかけさせます。ここがゴールへの入口です | 本物のOSやセキュリティソフトが、警告画面に電話番号を出して電話させることは、まずありません |
すべての演出は、「電話をかけさせる」という1点に向かっています。逆に言えば、電話さえかけなければ、演出は演出のまま終わります。
慌てなくて大丈夫。偽警告画面は「閉じるだけ」でいい
ウイルスに感染したわけではありません。だから、駆除も修理も要りません。やることは、うるさい画面を閉じることだけです。
しかし、この画面は、見た人を焦らせるために「×ボタンが見つけにくい」「全画面で閉じられない」ように、わざと作られていることがあります。
- パソコンの場合:キーボードの「ESC(エスケープ)キー」を数秒間長押しすると、全画面表示が解除されて「閉じる(×)」ボタンが出てくることがあります。
- タブレット・スマホの場合:全画面の部分を長押しすると、タブを閉じる「×マーク」が出てくることがあります。
- それでも消えない・音が止まらないときは、いったんブラウザを終了する(アプリを閉じる)だけでも大丈夫です。
見分け方は簡単「ギフトカードで払え」と言われたら詐欺
サポート詐欺にかぎらず、「未払い料金がある」「税金の還付がある」など、口実はいくつもあります。しかし、支払い手段としてギフトカードを指定してきたら、理由が何であれ詐欺だと考えて大丈夫です。
この見分け方は、発行元のApple自身も同じことを書いています。「Appleギフトカードは、Appleから製品やサービスを購入する場合にのみ利用できます」(Appleサポート「ギフトカード詐欺について」・2026年6月30日公開)。修理代やサポート費用は、そもそもAppleが販売しているものではありません。Appleの原文は「ギフトカードで払って」は詐欺のサインに並べています。
正規のサポート料金や公共料金を、コンビニで買ったギフトカードの番号で払わせる会社や役所は、存在しません。 犯人がギフトカードを選ぶのは、番号さえ送らせれば匿名で受け取れて、後から取り戻しにくいからです。支払い手段は、犯人にとって都合のよさだけで選ばれています。
この「ギフトカードは支払いに使えない」という考え方は、サポート詐欺以外の詐欺にもそのまま効きます。くわしくは「ギフトカードで払って」は詐欺のサインにまとめています。
「支払い」と「買取」は、まったくの別物です
- 支払いにギフトカードを使わせるのは、詐欺のやり口です。相手はコード(番号)だけを欲しがり、あなたに何も残りません。
- 買取は、自分の意思で持っているカードを売り、お金を受け取る取引です。お金は自分に入ってきます。
お金が出ていくのか、入ってくるのか。その向きが逆であることを覚えておけば、迷いません。「サポート費用のために買ってきて」と言われて動いている時点で、それは詐欺の支払いにあたります。
電話の向こうでは、何が起きているのか
電話がつながると、そこからは人が相手になります。画面が出ていた段階に比べて、通話が始まってからのほうが、強い圧力がかかります。よくある流れを知っておくと、途中で「あ、これだ」と気づけます。
確認された手口(新しい順)
当サイトが確認した時点の日付を付けています。手口は入れ替わります。古いものが今も出回っているとは限りませんし、ここに無い形が届くこともあります。新しく確認しだい、上に足していきます。
7月31日 「ウイルスに感染しました。このままでは個人情報が流出します」+電話番号
いちばんよくある型です。慌てて電話をかけたくなりますが、そもそも感染していません。ここで止まれば、あとの被害は何も起きません。画面を閉じるだけです。
7月31日 「サポート契約が必要です。コンビニでギフトカードを買ってきてください」
ここまで進んだ時点で、もう考えなくていい領域に入っています。理由が「修理費」でも「セキュリティ契約料」でも「返金の手数料」でも同じです。支払い手段にギフトカードを指定した時点で詐欺です。買いに行かないでください。
7月31日 「金額を間違えて多く返金してしまった。差額を返してください」
いったん「返金します」と言っておいて、「多く振り込みすぎた」と主張し、差額をギフトカードで返させる型です。画面に表示された残高や振込明細らしきものを見せられることもありますが、操作されている端末の画面は、根拠になりません。「返しすぎたから返して」と言われたら、その場では応じず、いったん電話を切って相談してください。
もし電話してしまった・番号を送ってしまったら
「知らずに電話してしまった」「遠隔操作ソフトを入れてしまった」「番号を送ってしまった」、そんなときも、自分を責めないでください。あの演出は、誰でも動揺するように作られています。
- 遠隔操作ソフトを入れてしまったら:まずインターネットの接続を切り(Wi‑Fiを切る/LANケーブルを抜く)、入れてしまったソフトを削除します。不安なら、購入店やメーカーの正規サポートに相談を。
- ギフトカードの番号を送ってしまったら:使われる前ならごくまれに止められることもあります。買ったコンビニ・カードの発行会社に、できるだけ早く連絡してみてください。
- 不安なとき・判断に迷うとき:ひとりで抱えず、下の相談先へ。
具体的な対処の手順は「入金されない・詐欺かも」と思ったときの対処法にも整理しています。
段階別:どこまで進んだかで、やることが変わる
| どこまで進んだか | いまの状況 | やること |
|---|---|---|
| 画面を見ただけ | まだ何も渡していません。いちばん安全な位置です | 画面を閉じるだけで済みます。電話はかけないでください。それで終わりです |
| 電話をかけた/話した | 相手に「反応する人だ」と知られただけ。金銭の被害はまだありません | 通話を切ってください。折り返しには出ないでください。伝えてしまったことがあれば、その内容をメモしておいてください |
| 遠隔操作ソフトを入れた | 端末を外から見られた・触られた可能性があります | まず通信を切る(Wi‑Fiを切る/LANケーブルを抜く)。そのうえで、そのソフトを削除してください。主要なパスワードは別の安全な端末から変更してください。不安なら正規サポートへ相談してください |
| ギフトカードを買った(番号は未送信) | まだ被害は成立していません。ここで止められます | 番号は送らないでください。催促には応じないでください。カードとレシートは保管してください。相手からの連絡は切って大丈夫です |
| 番号(コード)を伝えた | 使われていれば取り戻すのは難しいのが実情です | レシートを捨てずに保管。購入したコンビニと発行会社へ、できるだけ早く連絡してください。あわせて188へ相談してください。「もう一枚」と言われても、絶対に応じないでください |
表の下に行くほど動きは増えますが、どの段階でも「今から止める」ことはできます。相手は、言い出しにくさにつけこんで「もう一枚」を求めてきます。言いづらさを感じる場面でも、そこで止めて相談してかまいません。
家族が引っかからないための「ひと声」
サポート詐欺は、警告音や英語の画面に不慣れな人ほど、電話に手が伸びやすい手口です。離れて暮らすご家族がいるなら、こんな一言を共有しておくだけで、被害はぐっと減らせます。
- 「パソコンにウイルス警告が出ても、電話番号には絶対かけないでね。閉じるだけでいいから」
- 「修理費や料金を”コンビニのギフトカード”で払えって言われたら、それ全部詐欺だからね」
見守りの具体的な工夫は家族を詐欺から守る見守りのコツにまとめています。
困ったときの相談先
「電話してしまった」「これって詐欺かも」と感じたら、ひとりで抱えないでください。
- 消費者ホットライン「188(いやや)」(全国共通・最寄りの消費生活センターにつながります)
- 警察相談専用電話「#9110」(事件性を感じるとき。緊急時は110番)
- 対処の流れは「入金されない・詐欺かも」と思ったときの対処法を参考にしてください。
相談するときは、いつ・どこで・何を・いくらが分かる記録があるとスムーズです。警告画面のスクリーンショット、かけた電話番号の履歴、購入したギフトカードのレシート、送ってしまったメッセージは、消さずにまとめて残しておいてください。「もう捨ててしまった」という場合でも相談はできます。手ぶらでも、まず電話してかまいません。
まとめ:あの警告に、もう驚かない
- 「ウイルスに感染しました」の全画面警告は、ほぼ偽物(サポート詐欺)です。パソコンは壊れていません。
- やることは画面を閉じることだけです。表示された電話番号には、絶対に電話しないでください。
- 閉じ方は、ESCキーの長押しなどです。落ち着いているうちにIPAの体験サイトで練習しておくと安心です。
- 音・ロゴ・検出数・カウントダウンは、すべて電話をかけさせるための演出です。かけなければ、そこで終わります。
- 支払いにギフトカードを指定された時点で詐欺です。ギフトカードは発行企業の商品にしか使えません。
- 進んでしまっても、どこまで進んだかで対処は変わります。番号を送る前なら、まだ止められます。
- あとから来る「取り戻します」型の勧誘は二次被害の入口です。相談は188や#9110(緊急時は110番)にしてください。
このサイトは、アップルギフトカードを安全に売る(買取に出す)ためのレート比較メディアです。詐欺の「支払い」と、正規の「買取」は、まったくの別物です。落ち着いて見分けられれば、こわがる必要はありません。
参考(出典)
-
手口べつの認知件数・被害額(2026年上半期・暫定値)(警察庁 広報資料「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」 p.2)
-
IPA(情報処理推進機構)「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集」(IPA)
-
IPA(情報処理推進機構)「その警告画面、本物ですか?(サポート詐欺への注意喚起)」(IPA)