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親が「ギフトカードを買ってきて」と言われたら──家族が最初に気づけるサイン

公開:2026/7/30 / 更新:2026/8/3 / 著者:ギフトカード総研編集部かりん

「親が、コンビニでギフトカードを何枚も買っていたらしい」 「電話をしながらレジに並んでいた、と店員さんに教えてもらった」 そんな話を聞いたとき、まず知っておいてほしいのは、「ギフトカードを買って、番号を教えて」という要求は、詐欺の典型的なサインの一つだということです。

🙂 うちの親に限って、詐欺なんて大丈夫だよね?
🍎 どのご家庭にも起こりうることとして、広く注意が呼びかけられているテーマなんです。だからこそ、家族が早めに気づけると安心につながります。

なぜ、詐欺で「ギフトカード」が使われるのか

国民生活センターは、いわゆる「サポート詐欺」に注意を呼びかけています。パソコンやスマートフォンに偽のセキュリティ警告画面や警告音を表示させ、「今すぐ電話して」と誘導したうえで、電子マネーやギフトカードで支払わせる手口です。ギフトカードは、コードさえ伝われば使われてしまいます。しかも、振込と違って後から取り戻すのが難しいので、この種の手口で好んで使われます。

偽警告そのものの見分け方と閉じ方は、「ウイルスに感染しました」の偽警告は詐欺で詳しく扱っています。

国民生活センターでは、こうした手口を含め、高齢者の消費者被害や見守りに関する特集を継続的に公開しています。広く一般に注意が呼びかけられているテーマだと捉えてください。

ギフトカードは支払いの手段ではないアップルギフトカードなどのギフトカードは、発行企業のサービス内で使うための商品です。料金・税金・違約金・サポート費用の支払いに使うものではありません。だから、用件が何であれ「支払いをギフトカードで」と言われた時点で、いったん手を止めて構いません。この一線だけ家族で共有しておけば、手口や文面が変わっても迷いません。

頼まれる「理由」は、だいたい決まっています

ギフトカードを買わせる話は、必ず何かしらのもっともらしい理由とセットで届きます。理由は数えきれないほどありますが、はある程度決まっています。文面を覚えるより、「この用件なら、どこで確かめられるか」をセットで持っておくほうが実用的です。

よくある「理由」信じてしまいやすい背景確かめかた
パソコン・スマホの警告画面と「サポート費用」警告音や全画面表示で焦り、考える時間を奪われる画面に出た番号には、かけないでください。表示された連絡先は相手が用意したものです。画面を写真に撮って、家族と一緒に見てください
未納料金・税金・違約金期限を切られると、放置するのが怖くなる公的機関や事業者がギフトカードで集金することは通常ありません。手元の請求書や公式窓口から自分で確認
家族・知人を装う電話助けたい気持ちが先に立ち、疑いにくいいったん電話を切り、自分が知っている番号からかけ直します。それだけでほぼ確かめられます
ネットで知り合った相手からの「お願い」関係を壊したくない、心配をかけたくないお金の話が出た時点で、家族か188に一度話します。相手を疑うためではなく、自分を守るため
当選・還付・副業の「手数料」得が目の前にあると、急いで手続きしたくなる先に払わせる話は、いったん立ち止まります。心当たりがなければ何もしないで構いません

右端の列は、すべて「自分が知っている経路で確かめる」で揃っています。連絡が来た経路と、確かめる経路を分けてください。それだけで、相手の話がどれだけ上手でも結論は変わりません。

家族が気づける、一般的な「入口」

次に挙げるのは、気づきの入口としての一般的な兆候です。当てはまったからといって、それだけで詐欺が確定するわけではありません。本人を問い詰めずに、「最近どう?」と会話のきっかけにする程度で十分です。

これらは、単独で見れば日常的な行動でもあります。大切なのは、普段と違う様子に気づいたときに、責めずに声をかけることです。「これに当てはまる=アウト」と決めつける必要はありません。

サインと、そのときの一言(そのまま使えます)

同じ行動でも、ふだんの暮らしでは何でもない一場面である場合のほうが多い、という前提で見てください。ですから下の表には、必ず「日常でもよくあること」の列を置いています。この列を飛ばして「サインだけ」を見ると、疑いの目で家族を見ることになってしまいます。

気づきのサイン日常でもよくあることそのときの一言(例)
コンビニや家電量販店のギフトカードのレシートが増えた孫への贈り物、自分用のアプリ課金、まとめ買い「それ、私も使うから買い方教えてよ」
電話のあと、急に出かけるようになった用事、通院、買い物の思いつき「ちょうど出るところだから、車出そうか」
パソコンやスマホの画面のことで困っている様子操作の不調は誰にでも起きる「その画面、写真に撮っておいて。あとで一緒に見よう」
誰にも言わないで」と言われている、と口にする家族へのサプライズや遠慮「言えない話なら、なおさら私も一緒に聞くよ」
現金の引き出しや記帳がいつもより増えた旅行や冠婚葬祭、季節の出費「大きい買い物あった?手伝えることある?」
見慣れないメモや封筒に電話番号が書いてある通販・病院・自治体からの連絡「この番号どこの?せっかくだから一緒に調べよう」

右の列を見ると分かるとおり、どれも「一緒にやる」という誘い方になっています。相手を試す質問ではないので、外れていても気まずくなりません。空振りしても損をしない聞き方を選んでおくと、無理なく続けられます。

気づいた人が、家族とは限りませんコンビニや家電量販店の店員さん、金融機関の窓口の方が声をかけてくれて発覚することもあります。もし「お店の人にこんなことを言われた」と本人から聞いたら、それは責める話ではなく、ありがたい情報として受け取ってください。「教えてくれてよかったね」と返せると、次からも家族に共有してもらいやすくなります。店頭での声かけや購入制限の背景は、レジで「何にお使いですか?」と聞かれたらにまとめています。

気づいたときの声のかけ方

詐欺の被害は、誰にでも起こり得ることです。本人を責めても事態は良くなりません。家族が味方だと伝わることが、次の被害を防ぐ一歩になります。

「責めない聞き方」は、言い換えでつくれる

やさしく聞こう、と思っていても、心配が先に立つと言葉はきつくなります。気持ちを変えるのは難しいので、言い方だけ先に決めておくのが現実的です。

つい言ってしまう言葉言い換えなぜ効くのか
「なんでそんなの買ったの」「何があったのか、順番に聞かせて」原因の追及に聞こえると、そこで話が止まってしまう
「それ、だまされてるよ」「私も同じ電話が来たら迷うと思う。一緒に確かめよう」否定されると、人は守りに入ります。並んで確かめる形にしてください
「だから言ったのに」「教えてくれてありがとう。ここからは一緒にやろう」次に何かあったとき、相談してもらえるかどうかが変わる
「もう一人で買い物しないで」「大きい買い物のときだけ、一報もらえたら安心だな」暮らしの自由を取り上げないでください。守れる約束にしてください
「警察に行くからね」(いきなり)「相談だけできる番号があるから、一緒にかけてみよう」大ごとにされる不安があると、かえって隠したくなる
話してもらえないのは、信頼がないからではありませんこの手口は、「誰にも言わないで」と口止めすることまでが型に含まれています。話してもらえなかったとしても、それは家族の関係が悪いからでも、本人が頑固だからでもありません。言いにくくさせる設計になっているだけです。だからこそ、こちらから「言っても怒られない」と分かる形で声をかける意味があります。
🔰 「詐欺だよ」ってはっきり言ってあげたほうが、目が覚めませんか?
🍎 気持ちは分かるのですが、逆になりやすいんです。人は否定されると守りに入ります。「一緒に確かめよう」に置き換えるほうが、結果的に早く事実にたどり着けます。それでも平行線なら、家族どうしで押し合わず、188のような第三者の窓口に一緒に相談する形に切り替えてください。
🥺 もうコードを伝えてしまっていたら、手遅れなのかな…
🍎 まずは責めずに事実を確認してみてください。家族だけで抱え込まず、188や#9110、消費生活センターに早めに相談するほど、選べる対応の幅が広がります。

どこまで進んだかで、やることが変わります

「もう手遅れかも」と感じるときほど、いま自分がどの段階にいるのかを分けて考えると、やることがはっきりします。

1
「買ってきて」と言われた段階(まだ買っていない):ここで止まれれば、失うものはありません。その場では買わないでください。そして、家族が代わりに買ってあげないでください。電話中なら、いったん切って構いません。切ったことで不利になる正規の用件は、まずありません。
2
買ったが、コードはまだ伝えていないコードを伝えないでください。写真も送らないでください。読み上げもしないでください。これだけで被害は止まります。カード本体とレシートは保管し、相手からの催促には応じないでください。残高照会ができる場合もありますが、方法は発行元の案内が優先です。
3
コードを伝えてしまった:まず、責める言葉はいったん置いてください。レシート・カード本体・通話やメッセージの記録を、捨てずにまとめてください。そのうえで188、事件性を感じるなら#9110へ。「解決するために、もう一枚」と言われても、そこから先は応じないのが最優先です。
4
要求が繰り返し続いている:ひとりで対応させないでください。電話やメッセージの応対を家族が代わる、日時と内容をメモに残します。そのうえで、窓口に経緯をまとめて相談します。「もう関わりたくないから払って終わらせたい」という気持ちになりがちですが、応じるほど要求は続きます
⚠️ そのあとに来る「取り戻します」に注意被害のあと、「お金を取り戻せます」「調査費用が先に必要です」といった連絡が届くことがあります。取り戻すために、先にお金やギフトカードを求めてくる相手は、二次被害の入口と考えてください。一度被害に遭った人ほど繰り返し狙われやすい、という前提で身構えておくと安全です。相談は、下に挙げた公的な窓口から始めれば十分です。

よくある3つの流れ(一般化した形で)

実際に語られる話はさまざまですが、大きく分けると次のような流れになりがちです。「こう来たら、こう考える」を先に持っておくと、その場で迷いません。

① パソコンの画面に警告が出て、電話をかけてしまった警告音と全画面表示で焦らされ、画面に出ていた番号に電話。そのまま「サポート費用をギフトカードで」と案内される流れです。気づきどころは、家族が「パソコンの調子が悪くて」と聞かされたタイミング。かけたい一言は「その画面、写真に撮っておいて。あとで一緒に見よう」。写真が残っていれば、相談のときにも役立ちます。
② 「息子だけど」という電話のあと、買い物に出かけた電話番号が変わった、急ぎで助けてほしい、誰にも言わないで、この3点が揃うのが特徴です。気づきどころは、電話のあとに急に外出したこと。かけたい一言は「ちょうど出るところだから、車出そうか」。断られたとしても、いったん切って自分の知っている番号にかけ直すだけで、ほとんど確かめられます。
③ ネットで知り合った相手に「少しだけ助けて」と言われた相手との関係を大事に思っているぶん、家族にいちばん話しにくい形です。気づきどころは、スマホを見る時間が増えた・お金の話を避けるようになった、といった変化。ここで「そんな相手やめなさい」と言うと、話は完全に閉じますかけたい一言は「相手のことは否定しないよ。ただ、お金の話が出たときだけは私にも教えて」。

元気なうちに、家族で決めておけること

いちばん効くのは、元気なうちにあらかじめ決めておくことです。しかも、これから挙げることのほとんどは、今日の電話のついでにできます。

暮らし全般の相談先としてお住まいの市区町村には、高齢者の暮らし全般の相談窓口として地域包括支援センターが置かれています。詐欺そのものの窓口ではありませんが、離れて暮らしていて日常の様子が分からない、見守りの相談をどこから始めればいいか分からない、というときの入口になります。名称・場所・受付時間は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の案内をご確認ください。

見守りは「管理」ではありません

この手の話は、進めば進むほど「親の財布を管理しよう」という方向に行きがちです。しかし、暮らしの自由を取り上げることと、詐欺から守ることは別です。

だまされることは、判断力の問題ではありません。相手は、焦らせる・口止めする・確かめる時間を奪う、という設計で近づいてきます。誰にでも起こり得ることだからこそ、恥ずかしい話にしない態度が、いちばんの予防になります。

家族のほうも、自分を責めないでください「もっと早く電話していれば」「気づけたはずなのに」、そう感じる方は少なくありません。でも、離れて暮らしていれば分からないのが当たり前ですし、口止めまで含めて仕組まれています。悪いのは、そう仕向けた相手です。いま気づけたことのほうが、はるかに大きな意味を持ちます。ここからできることに、力を使ってください。

迷ったら、公的な窓口へ

「詐欺かもしれない」「もう伝えてしまったかもしれない」というとき、家族だけで抱え込む必要はありません。

早めに相談するほど、選べる対応の幅が広がります。迷った時点で一度相談してみるくらいで大丈夫です。

相談前に、手元にあると話が早いもの

きれいにまとめる必要はありません。思い出せる範囲で構わないので、次のものが手元にあると、窓口での話がスムーズになります。

⚠️ 捨てない・消さない「もう使われたなら意味がない」と思って、レシートやカードを処分してしまうことがあります。これらは相談の手がかりになります。落ち着くまでは、まとめて封筒にでも入れて取っておいてください。

まとめ

似た手口の詳しい整理はギフトカードを使った支払い詐欺、すでに買取に関わるトラブルに遭った場合は買取詐欺への対処もあわせてご覧ください。

緊急性がある場合は110番、迷う場合は188・#9110へご相談ください。

よくある質問

Q親から「ギフトカードを買ってきて」と頼まれました。買ってもいいですか?
Aいったん立ち止まってください。料金・税金・違約金・サポート費用の支払いをギフトカードで求められることは、通常ありません。家族が代わりに買ってあげるのも、同じ結果になってしまいます。「何に使うのか」を問い詰めるのではなく、「一緒に確認してから買おう」と一度持ち帰るだけで十分です。相手が急かしてくるほど、確かめる時間をとる価値があります(ギフトカードを使った支払い詐欺)。
Q本人が「これは詐欺じゃない」と言い張ります。どう話せばいいですか?
A説得しようとすると、かえって話してもらえなくなることがあります。否定ではなく、確認に誘うのがコツです。「私も同じ電話が来たら迷うと思う。念のため一緒に確かめよう」と言い方を変えるだけで、受け止め方は大きく変わります。家族どうしだと感情が入りやすいので、消費者ホットライン188のような第三者の窓口に、一緒に相談する形にするのもおすすめです。
Qすでにコードを伝えてしまいました。もう手遅れですか?
Aできることは残っています。まずレシート・カード本体・やり取りの記録を捨てずに保管してください。相談の手がかりになります。そして「解決するために、もう一枚」と言われても、それ以上は応じないでください。そのうえで188、事件性を感じるなら#9110(緊急時は110番)へ。早く相談するほど、選べる対応の幅が広がります(買取詐欺への対処)。
Q188と#9110は、どちらに相談すればいいですか?
A迷ったらどちらからでも大丈夫です。目安として、支払いや契約にまつわる困りごとは消費者ホットライン188(局番なし・最寄りの消費生活センター等を案内)、脅されている・つきまとわれているなど事件性を感じる場合は警察相談専用電話#9110いま危険が迫っているときは110番です。窓口どうしで必要な案内につないでくれるので、選び間違いを心配しなくて構いません。
Q「お金を取り戻します」という電話がありました。頼んでもいいですか?
Aいったん止まってください。被害のあとに届く「取り戻せます」「調査費用が先に必要です」といった連絡は、二次被害の入口として広く注意が呼びかけられています。取り戻すために先にお金やギフトカードを求めてくる相手には応じず、公的な窓口(188・#9110)から始めるのが安全です。一度被害に遭った人ほど、繰り返し狙われやすいという前提で身構えておいてください。
Q離れて暮らしています。どんな見守りができますか?
A監視ではなく共有を増やすのが現実的です。相談先を紙に書いて電話のそばに貼る(188・#9110・家族の番号)、「お金とギフトカードの話が出たら、いったん切って家族に電話」を家のルールにする、電話口で本人確認できる合言葉を決めておきます。どれも、ふだんの会話のついでにできることです。暮らし全般の相談先として、お住まいの市区町村にある地域包括支援センターもあります(名称や窓口は自治体の案内が優先です)。