宅配・料金未払いのSMS詐欺(スミッシング)の見分け方と対処
見覚えのない請求や勧誘が届いたときは、詐欺・注意喚起の記録で、 同じ手口がいま出回っていないか確かめられます。
スマホに「お荷物のお届けにあがりましたが不在でした」というSMS(ショートメッセージ)が届くと、つい開いて、リンクを押してしまいそうになりますよね。
しかし、そのSMSは「スミッシング」と呼ばれるフィッシング詐欺かもしれません。 スミッシングは、SMSを悪用してニセのサイトに誘い込み、ID・パスワードやクレジットカード情報を盗もうとする手口です。
そもそも「スミッシング」ってなに?
スミッシングは、SMS(ショートメッセージ)を使ったフィッシング詐欺のことです。 「SMS」と「フィッシング(phishing)」を合わせた呼び名で、メールで届くフィッシング詐欺の、SMS版だと考えるとわかりやすいです。
やっかいなのは、メールより見破りにくい性質があることです。理由は主に2つあります。
- 迷惑メールフィルターが効きにくい:メールと違って、あやしいメッセージを自動でより分ける仕組みが働きにくくなっています。
- 電話番号あてに届く:自分の番号に直接届くため、「自分に関係のある連絡だ」と感じさせます。
だからこそ、「届いた=正しい」ではないと、最初に知っておくことが大事です。
最近増えている「装う」パターン
スミッシングは近年急増していて、2026年に入ってからの実例も報告されています。 よく使われるのは、私たちが日ごろやり取りしている相手を装うパターンです。
- 宅配業者を装う:「不在でした」「再配達の手続きを」
- 銀行を装う:「口座に異常が」「本人確認のため」
- 通販サイトを装う:「アカウントが停止されました」
- 「あと払いの未払い」を装う:「お支払いが確認できません」
型ごとに見る「引っかかりやすい理由」と、確かめる場所
届く文面は数えきれないほどありますが、型はだいたい決まっています。「この用件なら、どこで確かめられるか」を用件ごとに覚えておくと、迷いません。
| 装う相手 | よくある文面 | 引っかかりやすい理由 | 確かめる場所 |
|---|---|---|---|
| 宅配の不在通知 | 「お荷物のお届けにあがりましたが不在でした」「再配達のお手続きはこちら」 | ちょうど荷物を待っている時期に届くと、疑う余地が生まれにくい | 手元の注文履歴にある伝票番号を、公式アプリ・公式サイトを自分で開いて照会 |
| 料金の未納・未払い | 「お支払いが確認できません」「本日中にご連絡がない場合は手続きに移ります」 | 期限が切られていて、放置するのが怖くなる | 契約先の会員ページ・公式アプリ、または手元の請求書の記載 |
| アカウントの確認・停止 | 「アカウントが一時停止されました」「本人確認をお願いします」 | ふだん使っているサービス名だと、つい本物だと感じる | そのサービスのアプリや公式サイトに自分でログインし、同じ通知が出ているかを見ます |
| 銀行・カードの異常検知 | 「不正利用の可能性を検知しました」「ご利用を制限しました」 | 「守ってくれている連絡」に見えるので、警戒がゆるむ | カード裏面やカード会社アプリに書かれた窓口へ、自分から連絡します |
| 還付・当選・ポイント | 「還付金のお知らせ」「ポイントの有効期限が切れます」 | 損をしたくない気持ちが働き、急いで確認したくなる | 心当たりがなければ何もしないでください。気になるときだけ、公式アプリや公式サイトから自分で確認します |
右端の列は、すべて「自分から公式へ行く」で揃っています。連絡が来た経路と、確かめる経路を分けてください。そうすれば、文面の出来ばえに関係なく身を守れます。
見分け方は3つ
たくさんの見分け方を覚える必要はありません。次の3つを押さえておけば十分です。
確認された文面(新しい順)
当サイトが確認した時点の日付を付けています。手口は入れ替わります。古いものが今も出回っているとは限りませんし、ここに無い文面が届くこともあります。新しく確認しだい、上に足していきます。
8月1日 「お荷物のお届けにあがりましたが不在でした」+短いURL
通販の荷物を待っていた時期ほど、危ないタイミングです。しかし、荷物を待っていることは、そのSMSが本物である理由になりません。伝票番号は自分の手元(注文履歴やメール)にあります。手元の伝票番号を使って、公式の追跡ページで照会してください。本当に不在票が入っているなら、ポストにも同じ情報が残っているはずです。
8月1日 「未納料金があります。本日中にご連絡ください」+電話番号
SMSの本文に電話番号が書かれている型です。狙いは、受け取った人に電話をかけさせることです。人が出て話が進むと、その場の流れで判断させられてしまいます。SMSに書かれた番号には、かけないでください。確認したいときは、請求書やカード裏面など、自分が知っている連絡先からかけてください。
8月1日 「確認のため、こちらのアプリをインストールしてください」
SMSから案内されるアプリは、入れないと決めておくのが安全です。本物のサービスなら、アプリは公式のアプリストアで名前を検索して入れられます。SMSのリンク経由でしか入手できないアプリを求められた時点で、いったん手を止めてください。
ギフトカードでの支払い要求は詐欺のサイン
支払いをギフトカードや電子マネーで求められたら、それは詐欺のサインです。
「未払いがある」「アカウントを復旧するには」などと言って、コンビニでギフトカードを買わせ、その番号を送らせる手口が知られています。 しかし、アップルギフトカードなどのギフトカードは、発行企業のサービス内でしか使えない商品です。 料金の支払いや税金・違約金の名目で要求された時点で、詐欺と考えて大丈夫です。
くわしくは「ギフトカードで払って」は詐欺のサインにまとめています。
もし押してしまった、番号を送ってしまったら
「リンクを押してしまった」「情報を入れてしまったかも」と思ったときも、ひとりで抱え込まないでください。
- 入力してしまったID・パスワードは、すぐ変更してください(本物の公式サイトから)。
- クレジットカード情報を入れてしまったら、カード会社に連絡してください。
- 落ち着いて対処の順番を確かめたいときは、「詐欺かも」と思ったときの対処法も参考にしてください。
- Appleを装う偽メール・偽SMSの具体例はAppleを装う偽メールの見分け方にまとめています。
進んだ段階ごとの対処
届く前にできる、小さな備え
SMSが届く前に、どう動くかをあらかじめ決めておくことがいちばん効きます。
- 「SMSのリンクは踏まない」を家のルールにしてください。家族と声に出して共有しておくと、迷ったときに相談してもらいやすくなります。
- よく使うサービスの公式アプリを、先に入れておいてください。宅配・銀行・通販など、確認する導線を作っておけば、SMSに頼らずに済みます。
- 迷惑SMS対策の設定を、一度だけ確認しておいてください。提供の有無や名称は事業者・端末によって違うので、各社の案内が優先です。
- 「ギフトカードで払え=詐欺」だけは、家族全員で覚えておいてください。手口や文面は変わっても、ギフトカードでの支払い要求が詐欺のサインであることは変わりません。
困ったときの相談先
「これって詐欺かな」「もう情報を渡してしまった」と感じたら、早めに相談するのがいちばんです。相談は無料で、早いほど選べる手が残ります。
- 消費者ホットライン「188(いやや)」(全国共通・最寄りの消費生活センターにつながります)
- 警察相談専用電話「#9110」(事件性を感じるとき。緊急時は110番)
相談するときは、いつ・どこで・何を・いくらが分かる記録があるとスムーズです。届いたSMSの画面、やり取り、購入したギフトカードのレシートなどを、消さずに残しておいてください。
まとめ
- スミッシングは、SMSを使ったフィッシング詐欺です。メールよりフィルターが効きにくく、電話番号あてに届くため信じやすいという特徴があります。
- 宅配・銀行・通販・あと払いの未払いなどを装って届き、急がせてリンクを踏ませようとします。
- 見分け方は3つです。急がせてくる文面が届いたら、まず手を止めてください。SMSの中のリンクは開かないでください。確認したいときは、公式アプリや公式サイトを自分で開いてください。
- ギフトカードや電子マネーでの支払いを求められたら、それは詐欺のサインです。
- リンクを押してしまったあとも、「開いただけ」か「入力したか」で対処は変わります。切り分けてから動けば大丈夫です。
- そのあとに来る「取り戻します」型の勧誘は二次被害の入口です。相談は188・#9110(緊急時は110番)から始めてください。
参考(出典)
- ASCII「『スミッシング』はSMSを使ったフィッシング詐欺のこと」(ASCII.jp)