Amazonギフト券は売っていいのか|規約と法律は別、という整理
「Amazonギフト券を売るのは、いけないことなのか」。この問いには、2つの物差しが関わります。ひとつは、Amazonなどの事業者が定める規約です。もうひとつは、国が定める法律です。規約と法律はよく混ざって語られますが、決めている人も、破ったときに起きることも、まったく違います。
一方、事業者の規約については「何がどう書かれているか」という事実をお伝えするところまでとし、そこから先の判断はご本人に委ねます。説教をするつもりも、あおるつもりもありません。
まず、2つの物差しを分ける
| 規約(利用規約・細則) | 法律 | |
|---|---|---|
| 誰が決めたか | その事業者 | 国(国会が定める) |
| 相手は誰か | 事業者と利用者の契約関係 | 社会全体に適用される |
| 破るとどうなるか | アカウント停止、残高の無効化などサービス上の措置 | 捜査・処罰の対象になりうる |
| 判断するのは誰か | 事業者 | 最終的には裁判所 |
| 変わりやすさ | 事業者の判断で改定される | 改正には立法手続きが必要 |
「規約違反=違法」ではない、という意味
たとえば、あるサービスが「当社の商品を第三者に転売してはならない」と規約に定めていたとします。利用者がその規約に反した場合に起きるのは、原則としてその事業者が用意した措置です。具体的には、アカウントの停止、残高の無効化、今後の利用を断るといった対応にあたります。
事業者による措置は、警察が捜査に動くこととは別の話です。規約違反と犯罪を混同すると、必要以上に怖がることになります。逆に、法律の線まで軽く見すぎることにもつながります。
「規約に書いていない=安心」でもない、という意味
逆向きの勘違いもあります。規約に明記がなければ大丈夫だ、という読み方です。
しかし法律は、規約とは無関係に存在します。規約に一言も書かれていなくても、法律に触れる行為は法律に触れます。たとえば、盗まれた物だと分かっていながら受け取って売る、といった行為は、どこかのサービスの規約とは関係なく問題になります。
「規約NG・法律OK」=違法ではないが、アカウントや残高を失う可能性がある場面。
「規約OK・法律NG」=規約に書いていなくても、してはいけない場面。
「規約NG・法律NG」=当然、してはいけない場面。
当サイトが線を引くのは、下2つ(法律NG)です。
Amazonのギフト券細則には何が書かれているか
事実として、Amazonのギフト券細則には、ギフト券の有償での譲渡(転売・売買)を認めない趣旨の定めがあるとされています。また、Amazonが承認していない第三者からギフト券を購入する行為についても、規約に反するとされています。
なお、ここまで書いてきたのは、Amazonギフト券についての規約の話です。券の種類が違えば、発行元も、その発行元が定める規約も違います。券種ごとの違いはAmazonギフトカードとAppleギフトカードの違いで整理しています。
法律の線は、どこにあるか
これから挙げる4つの領域は、規約にどう書かれているかとは無関係に、法律の線がはっきりしています。
① 詐取されたコード
「還付金の手続きに必要だからギフト券を買って番号を教えてほしい」「未納料金があるのでコードで支払ってほしい」、こうした手口で集められたコードが、そのまま換金に回されることがあります。
少しでも引っかかったら、売らずに手を止めてください。いったん止めることが、いちばん確実な守り方です。
「知らなかった」で済むかどうかは、そのときの状況によります。値段が不自然に安い、相手が匿名である、取引を急かされる、安さの理由が説明されない、こうした兆候があるのに確認しなかった場合は、後から「気づけたはずだ」と見られる余地が生まれます。
② 盗品性の認識があるもの
盗まれたカードやコードだと分かっていて、それを受け取ったり、売ったり、間に入って仲介したりすることは、法律上はっきりと問題になる領域です。
買取の相場から大きく外れた条件には、その条件になる理由があります。理由が説明されないまま安いのであれば、その安さの理由を確かめる必要があります。
③ 他人名義のもの
他人名義のものには、自分のものではないカード、他人のアカウントに紐づいた残高、名義人の意思と関係なく持ち出されたものが含まれます。他人名義のものを売ることは、持ち主との関係でも、買取業者との関係でも問題になります。
④ 青少年(未成年)のケース
未成年の方が単独で行った契約は、後から取り消されうる性質を持ちます。そのため、買取業者の多くは年齢の確認を行い、未成年の場合は親権者の同意を求めたり、そもそも取引を受け付けなかったりします。
買取業者が年齢を確認するのは、この取消しの制度に沿って手続きを組んでいるからです。年齢によって条件が変わるのも、業者が制度どおりの手順を踏んでいる表れです。
ここまでの線を、ひとことで
逆に、出どころが説明できない・確かめていないのであれば、そこが確認すべき地点です。
古物営業法:なぜ手続きが求められるのか
ギフトカードを買い取る事業者の多くは、古物営業法にもとづく許可を受けた事業者として営業しています。この法律は、盗品などが市場に紛れ込むことを防ぎ、紛れ込んだ場合に早く見つけられるようにするためのものです。
・許可番号を、営業所やサイト上に表示すること
・取引の相手方について、一定の場合に確認を行うこと
・取引の内容を記録し、保存すること
※eメールタイプ(コードのみで実体のないもの)が古物にあたるかについては見方が分かれており、扱いは一律ではありません。
売る側に求められる5つの手続き
手続きの有無を、判断材料に使う
逆に、本人確認を一切求めない、許可番号がどこにも見当たらない、他人名義の口座でもかまわないと言う、こうした相手は、手軽なのではなく、確かめるべき点が増えていると読むほうが実態に近いはずです。
「手続きが面倒だから、聞かれないところで売りたい」という感覚は自然なものです。しかし、その手続きの面倒さは、売る側を守る方向にも働きます。取引の記録が残っているからこそ、後から「自分は正当に手に入れたものを、正規の手順で売った」と示せます。
許可番号の確認のしかたや、書類の準備は買取で騙されない安全ガイドに手順としてまとめています。
混同しやすい「現金化」との違い
もうひとつ、この話題でよく混ざるのがクレジットカードの現金化です。クレジットカードの現金化は、手元の不要なギフト券を売ることとは、まったく別の行為です。
| 不要なギフト券を売る | クレジットカードの現金化 | |
|---|---|---|
| 何をしているか | すでに持っているものを手放す | クレジット枠で買ったものを売って現金を得る |
| お金の性質 | 自分の資産を売った代金 | 後から請求が来る(実質は借金に近い) |
| 順番 | 先に持っていて、後から売る | 現金のために、これから買いに行く |
2つを分けるのは、そのギフト券を、なぜ持っているかという点です。もらったギフト券、ポイントで交換したギフト券、買ったものの使わなかったギフト券であれば、売るのは不要品を手放す行為にあたります。詳しい整理は「ギフトカード買取」と「クレジットカード現金化」の違いにあります。
ミニ事例集:あなたのケースはどこに当たるか
迷ったとき・困ったときの窓口
判断がつかないまま進めるのが、いちばん危ない状態です。先に相談したほうが、選べる手が多く残ります。
#9110(警察相談専用電話)──犯罪かどうか判断がつかないときの相談。
110──被害が明らかで、急を要するとき。
※法律の当てはめは事情によって変わります。個別の可否は弁護士などの専門家にご確認ください。
お金の工面に困っている場合も、188や、お住まいの自治体が置く生活相談の窓口が入口になります。相談するほどではない、と感じる段階でも大丈夫です。
まとめ
- 規約と法律は、別の物差しです。決める人も、破ったときに起きることも違います。
- 規約違反は、ただちに違法ではありません。起きるのは、原則としてサービス上の措置です。
- 規約に書いていないことが、安全を意味するわけでもありません。法律は規約とは無関係に存在します。
- Amazonのギフト券細則では、有償での譲渡を認めない趣旨の定めがあるとされています。当サイトはこの事実をお伝えし、判断はご本人に委ねます。
- 当サイトが唯一ゆずらないのは、日本の法律に違反しないことです。詐取されたコード、盗品性の認識があるもの、他人名義のもの、青少年のケース、ここははっきり線を引きます。
- 判断の核は、そのコードが正当にご自身のものになったかどうかです。
- 買取業者は古物営業法にもとづく許可事業者であることが多く、本人確認・本人名義口座・記録の保存といった手続きがあります。手続きがあるほうが、ふつうです。
出どころを自分で説明できる不要なギフト券を、正規の手順で手放すことに、必要以上の後ろめたさはいりません。実際の相場はAmazonギフト券の買取率一覧、進め方は買取で騙されない安全ガイドにまとめています。
※本記事は一般的な情報の整理であり、個別の法律相談ではありません。規約の文面や運用は改定されることがあり、最終的には各社の最新の案内が優先します。個別の判断は弁護士などの専門家にご確認ください。