前払式支払手段(まえばらいしきしはらいしゅだん)
カテゴリ:制度・法律
前払式支払手段とは、資金決済に関する法律(資金決済法)上の区分で、 あらかじめ金額をチャージ・購入しておき、その範囲で使うプリペイド型の支払手段を指します。 アップルギフトカードは、この前払式支払手段にあたります。 返金が原則できないことも、チャージした残高を現金に戻せず買取にも出せないことも、 この区分の性質から来ています。
前払式支払手段は、「先にお金を払って、あとから使う」タイプの支払い方です。 現金を渡して同時に商品を受け取る買い物と比べると、お金と価値が動く順番が入れ替わっています。 この順番のずれがあるために、資金決済法は前払式支払手段を区分し、 発行者に一定の義務を置いています。
具体例
- ギフトカード(アップルギフトカードなど)
- 電子マネー
- プリペイドカード
- 商品券・図書カードなどの紙の券
アップルギフトカードも、前払式支払手段にあたります。
仕組み:なぜ区分されているのか
前払式支払手段では、利用者が先に代金を払い、発行者はあとからサービスを提供します。 そのため、発行者の側に何かあったとき、 利用者の手元には「使えない残高」だけが残るという事態が起こりえます。
利用者が先に払うというかたよりを埋めるために、 資金決済法は発行者側にいくつかの義務を課しているとされています。
- 未使用の残高が一定の規模を超えると、供託などの形で資産を保全する義務が生じるとされています
- 発行者の登録・届出や、利用者への情報提供が求められるとされています
また、前払式支払手段は、どこで使えるかによって2つに整理されるのが一般的です。 自家型は、発行者自身の店舗やサービスの中だけで使える前払式支払手段です。 第三者型は、発行者以外の加盟店でも使える前払式支払手段です。
特徴
- 使えるのは、原則として発行者のサービスや加盟店の中だけです。アップルギフトカードなら、Appleのサービスの中で使います。
- 発行者には、利用者を保護するために、供託などの義務が課されることがあります。
- 現金そのものではないため、他店の支払いや現金の代わりにはなりません。
買取と、どうつながるのか
「Appleの中でしか使えない」という性質は、そのまま 「Apple以外で使いたい人にとっては余る」という状況を生みます。 カードが余る人がいるからこそ、買取という仕組みが成り立っています。
ただし、売ったあとも、そのギフトカードが前払式支払手段であることは変わりません。 業者がしているのは、コードという商品を仕入れて、 別の販売先に売ることです(在庫・再販)。 換金率が額面を下回るのは、この仕入れと再販の差があるためです。
たとえば額面10,000円のカードなら、受け取れる金額は 9月2日時点の実測では8,200〜8,500円です。受け取れる金額は日ごとに動きます。
混同しやすいところ
資金決済法は、基本的に発行する側を対象にした法律とされており、 手元のカードを売ること自体を直接扱うものではないと整理されています。 一方で、発行者の利用規約が譲渡や転売について定めていることはあります。 法律の話と、規約の話は別です。 気になる場合は、券面の記載と公式の案内を先に確認しておくと確実です。